Kentaro Hayashiの”Peculiar”がOpal Tapesから再販。新曲2曲追加でレコード盤も。

REVIEW

Opal Tapesから発売された、Kentaro HayashiさんのPeculiarを購入しました。限定版の赤いレコードでございます。

スタンダードな黒も可愛いです。なんで牛なのかはわかりませんが、ピタッとハマって見えるから不思議。いいデザインだと思います。

数年前ですがたまたまKentaro Hayashiさんのライブを聞いた時に衝撃を受けて、それ以来リリースを心待ちにするアーティストの一人でした。なので去年販売されたremodelからのCD版も入手済みです。

CD版が出ただけでも嬉しかったのですが、まさか半年後レコードが発売されるとは思いませんでした。

しかもリリースが私の大好きなOpal Tapesときてはもう買うしかない。レコードとCDで同じものを買うたちではないのですが、彼のものに関しては買うべきだと思ったので。

ていうかBandcampでのデジタル音源を聞く限り、なんかCD版から取り込んだ音源より音が良くなってる気がして…

(取り込んだ時のあれこれやプラシーボ効果的なそれこれで良く聞こえるだけだったりして。これで違ったら恥ずかしいな。なんて予防線を貼っておきます。でもなんかハイや奥行きがくっきりして聞こえる気がするんだよなあ…)

まあMIX変えてなくても新曲追加されてますし。あと彼のライブ音源を聴いて好きになったのでそれに近い音を味わうためにはレコードで聞いた方が絶対いいと思いましたので。

家でもいいですが、そのうち馴染みのライブハウスに持っていってでっかいスピーカーで大きい音でかけていただこうと思います。布教もできて一石二鳥です。

一曲目の左右に振られた羽音のようなノイズが美しいGargouilleからズンと響くベース一発の強さと綺麗な余韻が気持ちいいVakuum,リズムもそれを構成するビートの一音一音も美しいPeculiar,フロアでこれが流れたらあがるしかないよねってキラーチューンのOctagon,この流れが大好きです。ライブでこれらの曲がかかった時にどれだけの衝撃を受けたか、ちょっと語るには難しいです。

しかし、その時の彼の音は低音が体を気持ちよく揺さぶり、高音は縦横無尽に駆け巡り、会場の面積を忘れるほどでした。

そしてこれはライブでも録音でもなのですが、彼の音は耳に痛くないのです。高音がしっかり出てるけどキツくない。これは私にとって個人的に超大事。あんまり強い耳を持ってなくてライブでは耳栓が手放せないようなやつなのですが、彼の音は本当に大音量でも気持ちよく体に響いてくれました。私にとってとても貴重な体験の一つでした。

その流れの次の曲であるOdysseyはCD版ではじめて聴いた曲なのですがこれもとにかく気持ちいい。他の曲に比べてシンプルなビートですが音の反響の扱いの綺麗さと随所に散りばめられた細かいノイズが美しいと思いました。あと左右の音の振り方の巧みさですよ。

そしてレコード盤に収録の"Arrowhead"は私の記憶が正しければ、彼のサウンドクラウドに以前上がっていた音源の強化版だと思います。Basilicaと一緒にアップしてらした曲ですね。あの曲かな、とわかるくらいに骨組みは同じなのですが音の深さや鋭さなどは比じゃないくらい上がっています。もう一曲の"Anabiosis"はちょっと記憶が定かではないです。でもどちらも非常に美しいサウンドで大好きです。

そして今アルバム収録曲をJim O’RourkeとMerzbowがリミックスした音源も2曲収録で、Jim O’RourkeのVakuumは原曲の重さが活かされつつも荒々しさと生々しさが大きく足されたアレンジ、MerzbowのGargouilleは原曲をベースに新しい風景を取り込んだようなアレンジです。

どちらも素晴らしい仕上がりだと思うのですが、誤解を恐れずに好みで話すなら、私は原曲の方が好きですね。優劣をつけるつもりはなくどちらも素晴らしいという前提に立った上で、単なる私の好みの話ですが。Kentaro Hayashiさんの原曲はそれくらい完成されたものだと思います。

以上Kentaro Hayashiさんのレコードが手元に届く日を心待ちにする一ファンでした。コロナが収束した日にはまたライブが聴けるといいなと願います。

なぜか他の人には届いた報告が続々きてるのに私のところに届いてないのはどういうわけなんですかねえ。嘘です。いつまでも待ってます。

REVIEWKentaro Hayashi

Posted by catfeeder