Eomacの新譜、Cracksが良すぎた。

REVIEW,Eomac

こんにちは。
はじめまして。
いい天気ですね。
Eomacさんが先月新譜を出しましたね。Cracks。
そして新譜がレコードになりましたね、今月。

その内容があまりにカッコ良かったので筆を取りました。全曲レビューという名の感想垂れ流しです。よければお付き合いください。一緒に聴きながら読んでくれたらなお嬉しく思います。

ブログ一発目から趣味だだ漏れです。
はじめまして、布教させてください。なんて挨拶どうなんでしょうね。
どうなんだと思いつつも止まれない。好きなものにはまっしぐらです。

LakkerのメンバーでもあるEomacさん、最近Eotraxっていう個人レーベルの活動やそこからの去年のコラボシングルリリース、EeOoやOmicみたいな変名の活動が目立ってた気がしましたが、今回はEomac名義でPlanet.muからのリリースです。

では行きます。


一曲目の"Mandate for Murder"は題名となっている単語をひたすら繰り返すボーカルが特徴的ですね。一曲目からいきなりキャッチーです。
この曲は彼の別名義、Omicの一曲"Bad Sex in the Age of Pornography"のビートを引用したものになってますね。

ヘビーさはそのままにポエトリーとも違うようなボーカルのサンプリングがOmic名義とは全く違う色を見せてくれます。


全体としてOmicのアルバムの空気をさらに強化したような今作だと思うのです。このOmicのアルバム好きなので私にはそりゃツボなわけです。Omic好きすぎてテープ2本買っちゃったよ。


そして2曲めのPortuguese Man O’Warはビートがより重く、より強くなってとても良い。そこから3曲目のボーカルを加工したようなアンビエントにビートが乗ったAncient Staffに流れていく感じが自然にアルバムの音に引き込まれる感じですごく良いです。
Eomacさんといえば私はこのBoiler room Berlinでのライブがめっちゃ好きなんですけども。


ヘビーでミニマルな音楽に漂う異国の香りが素敵です。彼自身がタイのレーベルBedouin Recordsからリリースしてますしその辺の影響もあるのかもしれません。
今回のアルバム"Cracks"はこういう彼のライブの持っている空気感を丸ごと閉じ込めたみたいな素敵さがあります。
ちなみに私はタイの音楽はなかなか調べるのが難しくて触れられていませんが、どなたかおすすめありましたら教えていただけたら嬉しいです。

4曲目のWhat Does Your Heart Tell Youはキックの感じが急に乾いた感じになりますね。 リズムも一気にダンスフロアっぽくなります。Eomacさんはライブ聴いてても緩急がすっごい気持ちいいなと私のツボなんですが、この曲もそんな感じ。そんなドラムを聞いて一回お?雰囲気変わったな?って思ったらまたリバーブ聴いたシンセサイザーですよ。
彼、DJセットでもライブでもClarkを使うことがあると思うのですが、この曲にはClarkみを感じるのはわたしだけでしょうか。


5曲目のFalling Through the Cracksはタイトル的にもアルバムの目玉でしょうか。なんか…ちょうど昨日"Phat & Phuturistic"のコンピを聞いていたせいかジャングル?に思えますがビートがもっと落ち着いてて全然違いますね。でも匂いはジャングルです。湿気の強い空気の匂いがします。
単なる四つ打ちではないけど揺れちゃうトラックがEomacさんの私的好きポイントなんですが、この曲すっごい好きです。もちろんクールな4つ打ちも好きだよ!!
あとこのうあああああっていう男の人の声のサンプリング、さっきあげていたBoiler Roomでのライブでも聞いたような?お得意ネタなんでしょうか。読経のようなシンセのようなボーカルのような、そんな音と重なって非常に浸れる感じです。


6曲目のReason to Liveは一気にクラブの雰囲気です。聞いてると「あーーー音響の整ったクラブでこれ流してもらって、ずっと聞いてたいな」ってなりますね。クラブが恋しいです。
Omicの活動の時も思ってたんですが、この語るような声というか低いボーカルって彼の声なんですかね。全編通してなんか同一人物の声っぽくも聞こえるのですが。何かのサンプルなのでしょうか。これってだいぶ昔の作品にはあんまりなかったように思えますが、私の聞き込みが足りないのかしら。民族っぽいのはサンプルだと思うんですが、違うかなあ。もしかしてうああああああって声も自分で出してるのかなあ。もしそうだったらすごいなんかときめくんだけどなあ。と色々考えてしまいます。


7曲目のSeashellsは何となくビートの感じがポストダブステップの流れかなって思うのですが、でもやっぱりどこか漂う異国の香りがオリジナルですね。街の音のフィールドレコーディングの仕込みかたもさりげなくて素敵です。彼の音楽の無国籍さゆえにより強く共通して感じられるクールな嗜好というか、そういうのがとても好きです。
EomacさんはAbletonの動画でフィールドレコーディングからの曲の作り方を解説してらっしゃいます。これ見つつCracksの音もサンプリングなのかな?とか考えてみましたが私にはわかんないや。でもかっこいいからいいや。


8曲目のCanticleはすごくメロディアスな曲だと思います。結構全体通して展開がはっきりしてます。この曲から最後までは一気に展開強めにたたみかけてくる印象です。
中でもこの曲はちょっとクラシックっぽい雰囲気。
Canticleって調べたらキリスト教の聖歌の一種らしくて、なるほどなと納得した次第です。結構コーラスワークとか和製とか、楽譜的・西洋音楽的な部分も美味しいのですよねEomacさん。それと民族的な部分の合わさりかたが素敵です。飽きがこないです。


9曲目、Prophetessはよりコーラスの重なりが主体になった曲で、その分ちょっとキックやビートでの遊びが多い印象の曲です。いいよねこういうのがアルバムにあると。好きです。
All the Rabbits in the Tiergartenは笛の音がめっちゃ印象的ですね。前の3曲くらいが結構軽やかだったので、前半の流れを感じさせるキックの重さがより強調されます。そしてビートがサラッと複雑。
Eomacさんの幅広さを見せつつ、全体を通して一つの芯があるめっちゃいいアルバムだと思いました。フルアルバムで47分あるんですが、聴き終わった時そんなに経ったのかと不思議に思うくらい引き込まれてしまいました。

やっぱこれだけいいとフィジカルで欲しくなりますね。

レコードすぐ売り切れそうだし、どうしようかなあと迷ってまして。
そこを踏ん切りつけるために記事を書いてみたわけでもあります。

こんだけ推しといてまだ買ってないんかいって言われそうです、そのとおりですすいません。

買うしかない内容なんだけど、先月Opal Tapesで散財しちゃったんですよね…金欠なの。でも欲しいなあ。


あ、先月のOpal Tapoesは非常に良いリリースが多くてホクホクでした。好きなミュージシャンのものと昔のと合わせて買っちゃいました。
せっかくなのでそれについても記事書きますよ。ブログ作っちゃったし。

お付き合いいただきありがとうございました。

追記 : 結局買いました。

REVIEWCracks,Eomac

Posted by 猫1号