こんにちは。最近リリースされた気に入っている音楽を紹介するCatfeeder Release Raderの更新です。
今回紹介するのはThe Lazy Jesusによるアルバム”UA TRIBAL vol. 1″です。
UA TRIBALはウクライナ人プロデューサーThe Lazy Jesusによるオーディオビジュアルプロジェクト。
ウクライナの伝統的民族音楽とダンスミュージックを融合させるというコンセプトですが、その中に時折ジャズ風のベースラインやインダストリアル・テクノの要素も聞こえてくる、とても面白い作品だと思います。
ミニマルミュージックのように音の重なりによって展開していきますが、楽曲を構成する音やリズムは非常に多様で複雑です。ポリリズムとサンプリングで構成された実験的なリズムは何処かアブストラクトな実験音楽を思い起こさせますが、音像は何処か温かみがありとてもダンサブルです。
サンプリングによるアナログで有機的なリズムが真っ直ぐなエレクトロのキックと調和して、聞いているとトランスできますね。実験的要素とキャッチーさを兼ね備えていて聞いていて非常に楽しいです。踊っちゃうよ。
こちらのUA TRIBALはThe Lazy Jesusのソロプロジェクト2022年にキエフのドフジェンコ・フィルム・スタジオで開催されたフェスティバル”GRV GRV”で発表され、それからヨーロッパ中のフェスティバルに出演してきました。今回のアルバムはそのライブで演奏してきた曲をまとめてリリースした感じのようです。
Youtubeにアップされているこちらの彼のライブセットがとても好きです。
DJプレイによってダンサブルで聴きごたえのある展開になるパフォーマンスはもちろんのこと、ウクライナのアーティストMagistr Magiiによる手描きのアニメーションVJがとてもかっこ可愛い。
The Lazy JesusはUA TRIBALとしてパフォーマンスする際伝統的なウクライナの刺繍に似た模様をかいた赤色のマスクをつけているのですが、赤と黒のVJはそんな彼の姿にも非常によく似合っています。
BandcampやYoutubeではMagistr Magiiによるミュージックビデオも閲覧できます。
ビートに合わせリアルタイムで動く線画のアニメーションが音楽の世界を補強してくれてとてもいい感じ。
照明も赤色で統一された赤と黒を基調とした彼の世界はとてもかっこよく、是非一度大きなフェスティバルの会場で見てみたいと思わせてくれます。
もともとスタジオミュージシャンとして活動していたThe Lazy Jesus。自身のソロ活動の他、サポートベーシストとして様々なバンドに参加、ラッパーOTOYへの楽曲提供など多方面に活動を行ってきました。そんな彼の多様な音楽的バックグラウンドと現在のウクライナに対する思い、そしてビジュアル面などがガチッと噛み合った素晴らしいプロジェクトだと思います。