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Chet Fakerが”Whatever Tomorrow”のリミックスを発表。シングルリリース新作ラッシュで完全カムバック。

こんにちは。Chet Fakerが最近新作ラッシュですね。

先日配信された新曲、Whatever TomorrowのRemix版が数日前配信されました。同時にMVも公開されましたね。

Chet Fakerといえばその若干出落ち感の漂う名前が示す様に、Chet Bakerに影響を受けたオーストラリアのミュージシャンです。
と言っても音的にはポップなボーカルラインとミニマルなコード進行が特徴的なエレクトロ・ソウルといった感じで別物。

ライブやMVではキーボードを演奏することが多い彼ですが、インスタグラムなんかを見ると、ギターやサックス・DJプレイなんかもかなり上手です。

https://www.instagram.com/p/CAyg2tJHiE6

このBoiler Roomのセットでは、キーボードとAkaiのAPC40を使いこなすかっこいい姿が見えます。そしてライブアレンジが良い。
ボーカルとしても安定感ある上声質が非常にいい。非常に美しい声をしている。
そんなふうにプレイヤーとしてマルチでとてもすごい方なのですが、曲がまたいい。非常にかっこいい。

なんでポップでチャートインする音楽と実験やおしゃれがここまで両立するんだ。両立しないと絶望するのが間違っているのか。

コードや演奏の雰囲気としてはジャズの影響を受けたポップスって感じなのですが、ミックスの遊び方が非常にいい。左右に振られたパーカッションの距離感やポップスとしての骨の裏にこっそり忍ばされたノイズやサンプリングなど、小さい音での遊び方がすごく良い。繰り返しのフレーズが少しずつ変化していって、聞いててどんどん気持ち良くなっていく感じです。

リリースの全てにプロデューサーとしてクレジットされている様なので、こういう音としての遊びも多分彼の技です。すごいなあ。

2012年にはアルバム”Thinking In Textures”を、2014年にアルバム”Built On Glass”をリリース。どちらも名盤。
そして2016年には本名であるNick Murphyとして活動することを宣言し、Chet Fakerとしての活動は無くなった様にみえました。

しかし2020年の10月に突如Chet Faker名義でミュージックビデオ”Low”を投稿。

その後もあまり間を開けずGet Highのミュージックビデオを投稿するなど精力的な活動が目立つ様になりました。

私はこのGet Highという曲がとてもお気に入りです。イントロのリフにうっすらかぶさる鼻歌が非常にいい感じに深みを持たせてくれています。コードはシンプル、だけど音の重ねで展開を作る感じ。彼のキャッチーな音楽の奥に仕込まれた、こういう細やかな音の遊びが大好きなんだあ…。

そんな感じで久々のリリースを楽しんでいたところに、冒頭のリリース、Whatever Tomorrowのリリースです。

この三曲、曲のテーマが非常に似てるんですよね。精神的な辛さからの開放というか、何かへの執着を手放したゆえの明るさというか。

先ほどの”Gold”や”I’m Into you”みたいな前の作風からは、わりと愛を歌ったセクシーな感じの曲が多いなという印象だったのですが、今回のリリースからは辛い状況へいる人間への励ましの様なパワーを感じます。それはリスナーへかもしれないし、彼自身に対して言い聞かせているものかもしれない。

やっぱりリリース時期を考えても、コロナ禍ゆえのリリースっていうのは大きいんじゃないかなあと思います。ロックダウン中も部屋で演奏してる動画とかめっちゃ投稿してくれていましたし。

ただ彼の歌は、直接的でポジティブに勢いよく「コロナに負けるな!」っていうものではなくて、もっと普遍的な感情も混ぜた上でさりげなく、優しく寄り添ってくれる感じがしますね。非常に体に染みます。

MVにも気合が入っていて、どれもスケッチ調だったりVHS調だったり、レトロでちょっとサイケなビジュアルで使ってる色にも統一感があります。

これはまとめてアルバムリリース、あるかもしれませんね。あるんじゃないの?あって欲しい。

そう願う一ファンでした。

過去のリリースで私の好きな曲を貼って終わりにします。

読んでいただきありがとうございました。

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